Archive for 2014年2月28日

63 本番で力を出す

オリンピックで金メダルを取るのは難しい。世界中から「俺が1番!」「私が1番!」と思っている人が集まって、競争して、決勝に出る。実力のある人だけがいるわけです。その中で一番になるには、どれだけ気が強くても足りない気がします。特別な人たちと言っていいし、金メダルの栄光は大変なものですね。

さて、ごく普通の人々にとっては、入学試験は過酷なものです。直前のにわか勉強で仕入れた知識などは不思議なほど役に立ちません。その人が、確かに身につけている知識・方法が試験結果に表れます。入学試験だけでなく、ピアノの発表会でも、芝居の公演でも、陸上競技会の決勝でも、そこでできたことがその人の実力です。「普段の授業ではもっとできる。」とか「普段の練習の時はもっと上手だ。」とか「もっと速く走れる。」といっても意味はありません。

「本番で出した力」が実力です。つまり、いざというときに出せる力が実力です。だから、生まれてから死ぬまで、いざというときなしで過ごせるなら、実力などいらない。けれど、人生はいざというときだらけです。二十歳までは親の家にいて守られているとして、その間にも一回や二回いざというときはあるでしょう。その後親の家を出れば、それこそいざというときだらけになるのは請合います。就職、結婚は大物です。さらにあらゆるビジネスシーンで、年がら年中いざというときがやってきます。要するに、競争しているということです。

入学試験の受験とその準備は、「学力」という実力をつけることのほかに、「実力」のつけ方とその発揮の仕方を学ぶことなのです。

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62 センター試験

センター試験は、例年 50 万人以上が受験する一大イベントです。
今年の 1 月は、英語を 53 万人が、国語を 51 万人が、数学を 39 万人が受験しました。
理科、社会も延べ人数で、それぞれ 60 万人を超えます。
これだけ多くの人が受験するのですから、出題側と受験側の双方にかかっている総コストは莫大です。
それだけの費用に見合う何か良いことがあるべきだと私は思います。入試問題が、受験生の実力を測定できるだけでなく、受験生が解いていて楽しいものである。
例えば、問題を解いているうちに、今まで分の知らなかった新たな知識を発見したり、自分の数学上の技術を決定的に向上させる事実に気づいたり。(受験中は集中度が高まっていますから、普段なら気づかないことに気づきます。)
良質な入試問題はそれくらいのことはやれます。
ところが、万人向けに理想的な入試問題を作るのは不可能に近い。高校での学習事項の基礎がわかったかどうか、また、高校での学習事項を発展させる力があるかどうかを調べるためには、全く別のテストが必要でしょう。これを考慮して、センター試験を数年後に廃止する方針との報道がなされています。
新たに行われるのは、「達成度テスト(仮称)」で基礎レベルと発展レベルに分かれるとのことです。
実現すれば、既に行われている理数教育の強化と相俟って、相当な効果がありそうです。